取引高世界No.1  GMOクリック証券、“スプレッド戦国時代” の勝ち兵法 (第2回)

“効率化”で収益を上げる

社内の大方は、もうブランド(知名度)も確立しているのだから、マーケティングなり他のサービスでがんばっていけばいいという意見だった。「でも、私はそう思わなかったので、もう無理やり社員を説き伏せました。ここは社長の権限で通そうと。狭い狭いスプレッドでサービス提供している会社を放っておくと、その会社は一気に伸びていくんです。だから、新しい競合相手を増やさないためにも、当社は最狭のスプレッドを維持するしか方法がないんです」(高島社長)

なので、考えたことは“効率化”。うまくマリーを行えば、同社のインターバンク(カバー先)でのドル円のスプレッドが0.5銭だとしても、顧客には0.3銭で提供ができる。

そうして、同社におけるポジションのコントロールの仕方やリスク管理など、研究に研究を重ねた結果として、一番狭いスプレッド0.3銭でも収益が出るという体制を構築した。

しかし、スプレッド競争は、もう限りなくゼロに近いレベルまで来ているように見てとれるが、“ゼロになんかなったら、会社にとって儲けなんて絶対出ないじゃないですか、ゼロはあり得ないでしょう?” と質問してみたら、意外な答えが高島社長から返って来た。

「いえ、ゼロにできる可能性がまったくないとは言い切れないと思います。ポジションのコントロールやリスク管理等を見直すことで、スプレッドがゼロでも、収益が出せる仕組みはあるかもしれません。なんか、究極的な話かもしれませんが。でも、そのためには100億円くらいの資金が必要になるでしょうけど」

ただ、ここから、スプレッドを下げるような会社が現れたとしたら、GMOクリック証券といえども、厳しくなっていくかもしれない。しかし、同社には、システムに強いという大きな武器もある。スプレッドは一番狭い会社とほぼ同レベルのままで、あとはモバイルツールの使いやすさなどでお客様を惹き付けることもできる。実際、初心者から上級者まで対応できる取引ツールの独自性と使いやすさは、顧客からの評価が高い。現在の顧客層は、20代後半、30代、4 0代前半の男性の方が多く、他社よりも5歳ずつくらい若いといった特徴がある。こういった顧客層は、ひんぱんにトレードするため、携帯のアプリやiPhoneやAndroid専用アプリなどの開発に大きく力を注いでいる。

ネット証券で最も多いと言われている、全社員うち半数以上を占めるシステムのエキスパートたちが、取引ツールを自社開発していることで、コスト的な負担は軽減され、スプレッドの優位性、ひいては取引高の増加にも貢献していることになる。

次回は、グローバル化を目指す同社の戦略が明かされる。

第3回に続く)

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