取引高世界No.1  GMOクリック証券、“スプレッド戦国時代” の勝ち兵法 (第1回)

スプレッドは狭いに限る

私が、FXを開始した2003年当時、ドル円のスプレッドは5銭程度だった。それでも、外貨預金と比べれば、超格安だったから、お得感につられてトレードに勤しんだものだ。2008年頃からは、FX業界にスプレッド縮小ブームがおとずれた。こんなスプレッドで、実際FX会社ってやっていけるのかしらと思いつつ、コストパフォーマンスの良さは、個人的にも非常に歓迎すべきものだった。

そして時は、2013年。“スプレッド戦国時代”は乱世の感を強める中で、頭ひとつ抜きん出ている会社が存在する。その会社の名前はGMOクリック証券。同社は2012年、初のFX取引高世界1位の座を獲得し、以来その地位を不動のものにしている。2005年の設立以来わずか8年足らずの新しい会社が、長年、王者の座にいた米国の老舗、FXCM社を負かしたのだ。

この出来事は業界を騒然とさせたが、私の頭の中には“有言実行”という言葉があった。というのは、私は、2009年5月、同社の高島秀行社長にインタビューしており、その際、「3年後には、FXでNo.1を目指す」と話されていたからだ。事実、その言葉に違わず、3年後に、取引高では世界No.1になった。

「実は、私は、3年もかからず、1年くらいで、取引高においては1番になれるという勝算はあったんです。1番狭いスプレッドでやれば、だれでも取引高では1番にはなれると思います。当社の戦略は非常に明快なんです。一番狭いスプレッドで、お客様にたくさんトレードしていただいて、会社も収益を出させてもらう。これしかありません」(高島社長)

日本のFX会社(いや世界でか)で狭い最安値水準のスプレッド。このスプレッドの安さ自体が、GMOクリック証券の広告塔である。“スプレッド”で戦う。「他社が下げれば、うちも下げます。他社が下げなくても、うちは下げます」と高島社長は明言し、どこよりもスプレッドを重視する姿勢を明確に打ち出している。

「当社は後発組ですから、他社よりも良いサービスを提供できれば、何とかなるだろうと思っていました。ですから、FXを始めた当初から、スプレッドを安くすることは考えていました。お客様を集めるには、スプレッドは狭い方がいいだろう、くらいの考えだったんです。ところが、ドル円のスプレッドを3銭から、2銭に変更した途端に、口座数がものすごい勢いで伸びたんです。そのとき、確信しました、スプレッドは狭いに限ると」

ところが、今度は1銭で始める会社が現れるようになった。当然のことながら、他社が1銭だったら、2銭では顧客に来てもらえない。ゆえに、うちも安くしようと提案したら、社内で猛反対に会う。しかし、高島社長には絶対的な自信があった。

第2回に続く)

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