信頼できるFX会社と巡り合うために:NDDと逆転スプレッドの実像に迫る(第2回)

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FX会社収益型モデルの比較

 今回は、「ディーリング型」「マリー型」「NDD型」の3種類の収益モデルをご紹介しよう。要約すると、「ディーリング型」や「マリー型」は、顧客の注文を一旦FX会社側で約定させ、そこから(または同時に)収益を考慮し、カバー先にヘッジしたり、投資家同士の注文をマリーしたりする手法である。一方の「NDD型」は、カバー先の約定執行環境をそのまま顧客に提供しているため、カバー先の約定=FX会社の約定となる。

 以下にFX会社の主な収益モデルをまとめてみた。これらを投資家目線で各項目をわかり易く比較することによって、各々の特徴および投資家にとってのメリットやデメリットがより具体的におわかりいただけるだろう。

特徴 NDD型FX会社 ディーリング型FX会社 マリー型FX会社
収益構造
  • カバー先からのレートを加工せずそのまま顧客に提示
  • FX会社でディーリングをしないため、カバー先からのスプレッド分のリベート収益が主な収益源≒カバー先からのリベート収益
  • 複数のカバー先から取得したレートに対し、ディーリング収益を考慮し、収斂・加工した上で顧客に提示
  • 顧客からの注文を基に、タイミングを見計らいカバー先にヘッジするディーリング収益が主な収益源≒カバー先とのディーリング収益
  • 複数のカバー先から取得したレートを参考に、顧客のポジション情報等を考慮しレートを収斂・加工。その上で顧客に提示
  • 顧客同士の殆どの注文を相殺しているため、顧客のトレードの損失分がFX会社の主な収益源≒顧客のトレード損失分が収益
  • 投資家目線のメリット
  • インターバンク市場の取引環境により近い状態で取引可能
  • レートが加工されていないため、顧客提示レートの信憑性が高い
  • 複数のカバー先のレートを採用しているため、流動性は比較的安定
  • レートは加工されているため、原則固定等のスプレッドで取引が可能
  • カバー先の流動性に依存し難いため、顧客への流動性は安定
  • レートは加工されているため、原則固定等のスプレッドで取引が可能
  • 投資家目線のデメリット
  • カバー先に依存しているため、場合によっては流動性(約定率)が安定し難いレートも比較的変動し易い環境の可能性がある
  • ディーリング収益確保のため、基本的にはFX会社主導の収益構造になり、提示レートのスキューやスリッページも発生する可能性がある
  • FX会社主導の収益構造のため、提示レートのスキューやスリッページ等のネガティブな環境が発生しやすい
  • ※各社により若干の相違はあるため、基本的な参考情報として考慮していただきたい。
    監修:日産センチュリー証券株式会社 宮入氏

     各社により若干の相違はあるものの、各モデルの基本的な概念は上記のとおりである。上記図を参照して投資家はどう感じるのだろうか?投資家にとって目に見える取引環境や条件だけでなく、目に見えにくいものもあることがわかる。昨今、FX会社もスプレッド競争による収益低下の中、様々な取組を行っているが、収益モデル自体を見直す企業も増えてきているのも事実である。現在の環境を見直すのはFX会社だけでなく、投資家も今一度、投資環境を見直す時期に来ているのかもしれない。

    第3回に続く)

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